東京に憧れる地方都市の女子高生カナ。特別になりたい、みんなと違う感性をもちたい、という気持ちからクラスで一番仲のいい智香を誘ってラジオパーソナリティに応募し、みごと採用。本物の場所にいる本物の人に見つけてもらいたいと願う気持ちとは裏腹に、ラジオはなかなかリスナーもつかず、智香もどんどんやる気を失っていくのが手にとるようにわかり、どんどん空回り。別の中のいい子の失恋話を実名までだしてラジオで語ったり、ほぼ唯一のリスナーの書店員のお姉さんに甘えたり、ラジオ局の取締役にテレビとラジオは別物でどちらが劣ってることもなくより受け手に深く寄り添える場所なのだと諭されたり。ある時、自分があまりに自分のことしか見えてない、身勝手…ということに気づく幼さ。けれどそこから少しずつでも…と。2014年に発表されて、舞台が2001年、道具立てにノスタルジーを感じる。またはっきりとは書かれないが、びっくりドンキーがあって公立の教育大学があって、特急で大都市まで一時間半という描写から、旭川が舞台なのかな、と想像。
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- 感想投稿日 : 2021年4月8日
- 読了日 : 2021年4月8日
- 本棚登録日 : 2021年4月8日
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