高速で耳元で詩的/私的な語りを聞かせてくれているような読み心地、と感じたエッセイ「きみの言い訳は最高の芸術」に個人的に通ずると思った疾走感で語られる最果タヒの好きなもの。吉増剛造の「燃える」を読んでみんな戸惑えばええねんと叫び。宇多田ヒカル「In My Room」の歌詞に七重の意味を読み取り。2017年に一度書けなくなってから町田康対談を経て書けるようになった2019年以降の小説は、まだ単行本化されてないのかなと思ったり。他人にバカにされないようにしたいと願うことこそが、自分をバカにした行為だとつぶやき(「Sacai」)。あなたにくだらん部分が一ミリでもあるなら、買い物にだってそれが現れるのは必然だろう。(「買い物」) 「誰も譲れないし、売れそうにない、どうしようもない買い物」こそ、私は好きなのです(「買い物」)と宣言し。音で自分の成分が震えると感じたKEN ISHII「EXTRA」(「KEN ISHII」)。日常が日常として気楽なものであるのは、結局、命に鈍感になっているからかもしれないと。(「プール」)といったあたりが印象に。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
未設定
- 感想投稿日 : 2022年5月11日
- 読了日 : 2022年5月8日
- 本棚登録日 : 2020年2月10日
みんなの感想をみる