感性の限界――不合理性・不自由性・不条理性 (講談社現代新書)

著者 :
  • 講談社 (2012年4月18日発売)
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本棚登録 : 1260
感想 : 106

 水槽の中の脳やん。

 限界シリーズ三冊目。行為の限界、意志の限界、存在の限界。
 前二冊に比べて一番章題と内容の関連がよく分からなかった気がする。たぶん一番内容に関心がなかったから、理解しようって気持ちがなかったからだと思うけど。
 行為の限界っていうタイトルでなんでいきなり愛の話になってんのかなあっていう。まあ本のタイトルが感性の限界だから、分からんでもないけど。行為というか心って感じ。まあその行為の前提としての感情があるからってことかな?
 アンカリング、ヒューリスティック処理システムあたり、面白そうな話。行動経済学も面白そうだなぁ。
 意志の限界は自由意志と決定論。ただ切り込み口が遺伝子とかそういう系統だったのは面白かったかな。遺伝子レベルで決定されてるのかっていう。ミクロであるほど、複雑であるほど不確定になっていくっていう考えが紹介されてたけど、なるほどなって思いました。
 存在の限界は死について。カミュっていう哲学者もいたのかぁって思ってたら、普通に「異邦人」の作者だったね。無学がばれる。「異邦人」は好きだよ。あの主人公の考え方は共感できるところが多い。バナールの複合脳とかあたりはめっちゃSFでいいね。水槽の中の脳やん。あとそういう脳みそ、ラブクラフトにも出てこなかったっけね。クトゥルフ的な話で。いあいあ。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 学術系
感想投稿日 : 2021年5月25日
読了日 : 2021年5月25日
本棚登録日 : 2021年5月25日

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