グレアム・グリーンの人間観察眼は乾いている。
アイロニカルだとよく言われる。
皮肉だけでは鼻持ちならないが、そうは感じさせない筆致が彼の魅力である気がする。
湿っぽくはならないけど、人間味がある。
観察対象と一定の距離を置こうとするその態度は、ある意味紳士的で礼儀正しい。
好きなのは「祝福」「慎しみ深いふたり」「八月は安上がり」あたり。
「慎しみ深い〜」と「八月は〜」は人生の黄昏を迎えた男女の諦念や孤独が胸にぐっと来る美しい小品。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2016年10月30日
- 読了日 : 2016年10月30日
- 本棚登録日 : 2016年10月30日
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