定年後 - 50歳からの生き方、終わり方 (中公新書)

著者 :
  • 中央公論新社 (2017年4月19日発売)
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楠木新(1954年~)氏は、京大法学部卒、大手生命保険会社で人事・労務、経営企画、支社長等を経験したが、47歳の時うつ病で休職したことをきっかけに、勤務と並行して、大阪府立大学大学院経営学研究科MBAを取得、関西大学商学部非常勤講師を務め、「働く意味」をテーマに取材・執筆・講演に取り組む。定年退職後、楠木ライフ&キャリア研究所代表、神戸松蔭女子学院大学人間科学部都市生活学科教授。
私は、5年ほど前に一度転職を経験した50代後半の会社員だが、人生後半の生き方には多分に漏れず不安を持っており、これまで、五木寛之、斎藤孝、出口治明、佐藤優、弘兼憲史、大前研一らの書いた指南本を読んできて、それぞれに書かれていることは異なる(どんな社会的成功者・有識者であろうと、これまで送ってきた人生は皆ひとつであり、経験も考え方も性格も違うのだから、異なって当然)ものの、様々な気付きが得られた。しかし、彼らには唯一共通する点があり、それはいわゆる普通のサラリーマンではないということである。
その点、本書は、著者が典型的なサラリーマンとして社会人生活を送ってきており、本人の経験についても、多数の人々への取材の内容についても、目線がそこにあることが、類書と大きく異なる。
そして、通読してみると、書かれている内容やアドバイス自体には、特段目新しさがあるわけではないのだが、ひとつひとつの記述が非常に現実的で、改めて自らの今後を考えねばという気持ちにさせられた次第である。
サラリーマン生活を送ってきた中年層が、人生の後半の準備をするためには、参考になる一冊と思う。(尚、この手の本は、様々な内容のものをいくつか読むのがいいだろう)
(2022年6月了)

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2022年6月16日
読了日 : 2022年6月16日
本棚登録日 : 2022年6月12日

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