あたしは、この本に倚りかかり、ぎりぎりで、立てるようになります。
「私が一番きれいだったとき」「自分の感受性くらい」といったいわゆる代表作から、あらゆる傑作を網羅されている。根底にあるヒューマニズム、それを掬い取り、素直な眼力で見つめ、力強い筆致で穏やかに描く。彼女だからできた、それ。もう2度と、その過程は経られないのだと、時計は腕を動かすことを忘れてしまったと、思うと、今の時代、彼女のような人ほど必要なのに、と、唇を噛み締めたくなります。2006年、2月17日に、亡くなられました。生前に遺書を書かれていて、そこに記されていることにもやはり、涙が止まらない。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
詩集
- 感想投稿日 : 2007年3月16日
- 読了日 : 2007年3月16日
- 本棚登録日 : 2007年3月16日
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