なんとも怖い話でした。何が怖いって、誰でもちょっとしたズレで犯罪者になりうるのだなということ。それも、自分は絶対ないとは言い切れないということ。
この小説にでてくる登場人物たちも、必ずしも犯罪者になりうる者たちばかりではなかった。本当にちょっとしたズレで犯罪を犯すことになったりする人がほとんど。
著者は弁護士であり、彼が担当したであろう事件を小説にしているようだ。物語はあくまでも淡々と語られ、それでも人間の心理が痛いほど伝わってくる。
テレビ等で事件を見るたび、その悪質な犯罪者を憎むことはあれ、なかなかその背景や事情を理解しようとは思わないが、そうしたことにもきちんと向き合わなければならない弁護士等の仕事は大変だと思うし、また、大切なことだと思った。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2015年9月5日
- 読了日 : 2015年9月5日
- 本棚登録日 : 2015年8月25日
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