打算がなく現実も将来も、何も考えていないように見える二人のやり取りは、そこはかとなくユーモラスで、珍しいタイプの恋愛小説じゃないかな(そんなに読んでないけど)。千早茜の小説で「吠える犬」みたいなキャラクターはあまり出てこないと思うけど、心根の優しさが垣間見えるし、ミュージシャンだという尾崎の描く、意味不明な行動をする肉体労働の男も、リアリティがあって不思議な魅力がある。結局ふたりとも純真さをなくしていない魅力的な人物だからこそ、これが恋愛ドラマとして成立しているのだと思う。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
小説
- 感想投稿日 : 2023年12月6日
- 読了日 : 2023年12月6日
- 本棚登録日 : 2023年12月6日
みんなの感想をみる