久しぶりの圧倒的な読書体験。アメリカ文学に浸れる至福の時間。独特の比喩を用いた言い回し、個性豊かな奇妙な登場人物たち。古きアメリカのディープサウスの描写が素晴らしい。翻訳者を忘れて村上春樹の新作〜それも中期の頃の特別に面白い長編〜を読んでいるようだった。
すらすら読めないので何度も読み返したり、戻ったり、以前の河野一郎訳はどうだったかと比較したり。読書の真髄を思い出させてくれる究極の一冊。じっくりと向き合って味わいたい小説です。
新訳は春樹節が出過ぎてる箇所もある。言葉も前訳の方が分かりやすい部分もあるし、もちろん新訳の方が馴染みやすい単語になっている所もある。前訳で再読してみるのもいいかもしれません。
蒲団→キルト 毒蛇→ヌママムシ
無蓋のフォード車→ピックアップ型のフォード車
おまじない→護符 など
70年以上も前にトルーマン・カポーティが24歳で書いた珠玉の小説。是非、多くの人に読んでもらいたい。前訳と新訳は文章構成も全く違います。しかし、タイトルだけは同じ。自分も考えてみましたが、これを超えるような素晴らしい邦題は思いつきません。☆4は自分が完全に理解しているとは思えないので。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2023年9月7日
- 読了日 : 2023年9月7日
- 本棚登録日 : 2023年7月12日
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