ホリデー・イン (文春文庫 さ 49-3)

著者 :
  • 文藝春秋 (2017年4月7日発売)
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本棚登録 : 1137
感想 : 74
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ある作家さんは、登場人物それぞれの履歴書をきちんと書いてから、ストーリーを書き始めると聞いたことがある

この本は、ホリデーシリーズに出てくるジャスミンさん、大東くん、ナナちゃん、雪夜くん、進くん、それぞれのはじまりや終わり、一人一人のきっかけの物語
履歴書とまではいかないけれど、そこに至る背景が分かり、物語がより鮮明になった

「 ワーキングホリデー 」「ウィンターホリデー 」「 ホリデーイン 」を全部読んでこそ、物語が完成するように思う

とっても楽しく、ほのぼのとした話だったが、楽しいだけに終わらない誰しもが持っている寂しさ、切なさが巧みに描かれており、読んでいて、何度か胸がキュンとなった
だからこそ人は人を求め、誰かの役に立ちたいと思い、人との交流が生まれ、こんな物語が出来上がるのだろう
ホストクラブのママ、ジャスミンさんの存在が物語に深みを持たせていた

サクッと読めて、軽い小説かなという気がしていたが、人間の心の機微を描いたいい話だった

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2019年7月10日
読了日 : 2019年7月10日
本棚登録日 : 2019年7月10日

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