世間とズレちゃうのはしょうがない

  • PHP研究所 (2020年10月14日発売)
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⚫︎受け取ったメッセージ

秩序と無秩序、人工物と自然、脳と身体、好きなことと嫌いなこと
二軸のバランスは同等に大切。そこに存在するのだから。

養老氏は言う。

「大丈夫です。どうせ死ぬんだからさ。思い詰めないこと。」


⚫︎あらすじ(本概要より転載) 
世間からはじき出されないことを願う理論派・伊集院光と、最初から世間からはみ出している理論超越派・養老孟司。博覧強記でゲーム好きという共通点がある二人が、世間との折り合いのつけ方を探ります。
見た目が大きくて、子どものころから同級生との違いをひしひしと感じ、「世間からはじきだされることがこわかった」という伊集院さんは、不登校になった理由や落語の道に進んだわけを明かしつつ、「人間はそもそも群れの中で生きる動物。『他人に優しくなるほうが得』ということになるんじゃないかな」と語ります。
一方「自分ははじめから世間から外れていた」と語る養老さんは、「都市においては、意識で扱えないものは排除されます」という都市論・世間論を展開。さらに、たまには世間から外れて世の中をながめてもいいんじゃないか、と世間から抜け出す方法を提案します。
抱腹絶倒のトークから、世間とズレながら生きていくヒントが得られる一冊です。

⚫︎感想

「大丈夫です。どうせ死ぬんだからさ。思い詰めないこと。」

お二人の会話形式で、相反する秩序と無秩序をはじめとした考察が展開される。伊集院さんの物腰が心地よく、また例えもわかりやすい。
戦争で価値観が180度変わったという体験はよく耳にする。経験から、言葉は信じないと養老孟司氏は言う。
コントロールできるものとできないもの、無秩序を排除するのではなく、それはすでに存在する。バランスをとって、うまく生と付き合っていく。

また、伊集院氏の、嫌いなことをあえてやってみる、という態度も素敵だと思った。好きなことをやるのは予定調和だが、嫌いだと思っていたことが、案外そうでもない時の喜びは大きいだろうし、満足感も大きいだろう。これも生活の中でバランスをとるひとつの方法だ。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2024年1月1日
読了日 : 2024年1月1日
本棚登録日 : 2024年1月1日

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