ゲーム的リアリズムの誕生~動物化するポストモダン2 (講談社現代新書)

著者 :
  • 講談社 (2007年3月16日発売)
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本棚登録 : 1790
感想 : 118

(要点まとめ)読書することが、ゲームになるのが、ゲーム的リアリズムで書かれた物語。

物語を読む行為が、物語の行方に影響を与える。読者と物語世界は隔離されているようで隔離されていない。読むことで、物語に参加できる。読むことが、主人公たちが挑む謎解きの手助けになる。読者と物語の相互介入が、『ひぐらしのなく頃に』などゲーム的リアリズムで書かれた物語の特徴となる。

苦しみ、悩み、考え、選択する主人公たちの物語を読むことで、読者自身も、人生とはゲーム的なプロセスであり、選択の連続であると気付く。

ゲーム的リアリズムに基づいて書かれた作品は、既存のリアリズムの価値観では評価できないものが多いが、選択と決定の連続となっている現代読者の世界観、サバイバル観と、ゲーム的リアリズムで書かれた物語は、共振している。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 現代思想
感想投稿日 : 2011年1月22日
読了日 : 2011年1月22日
本棚登録日 : 2011年1月22日

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