心でっかちな日本人 ――集団主義文化という幻想 (ちくま文庫 や 39-1)

著者 :
  • 筑摩書房 (2010年2月9日発売)
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感想 : 20
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はじめに あなたも「心でっかち」になっていないか
第1章 日本人は集団主義ではなかった
第2章 心でっかちの落とし穴
第3章 心でっかちな文化理解を取り除く
第4章 内集団ひいきはどのようにしてうまれるのか
第5章 だれもが皆、心の道具箱を持っている
第6章 心の道具箱を整理しよう
さいごに 文化はつくるもの
解説 システムとしての社会と個人(長谷川眞理子)

P114
筆者は文化を、「心と行動とのあいだの相互依存関係が生み出す相補均衡」として理解する立場をとっています。

P208
本書の前半では、筆者は「心でっかち」な文化理解を批判し、頻度依存的行動が生み出す相補均衡として文化をとらえる考えかたを紹介しました。そして後半では、集団への心理的同一化が内集団ひいきを生み出すとする社会的アイデンティティー理論を批判し、集団のなかで相互に協力し合いながら暮らしていくための心の道具である交換促進装置が、内集団ひいき行動の背景に存在していることを示す実験を紹介してきました。本書の最後の章である第6章では、相補均衡としての文化という考え方と、心の道具箱という考え方の二つを結びつけて考えていきます。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 心理
感想投稿日 : 2012年7月16日
読了日 : 2012年7月16日
本棚登録日 : 2012年7月16日

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