大聖堂 (中) (ソフトバンク文庫)

  • ソフトバンク クリエイティブ (2005年12月17日発売)
4.15
  • (125)
  • (113)
  • (72)
  • (2)
  • (1)
本棚登録 : 904
感想 : 70
4

(六章)
ウィリアムに襲撃され没落したバーソロミュー家。アリエナと弟のリチャードは王に会うためシャーリングからウィンチェスターへ向かうが、王は別の地にいることを知らされる。次の手段として、父の助言をもらいたく、投獄されている牢屋に会いに行くと そこにいたのは骸骨同然の変わり果てた父だった。そこでリチャードはシャーリング伯になることをアリエナはそれを実現させるため弟を支えることを誓う。父と最後の会見の後、父が金を預けていた修道院を訪れるが、金はほとんど使われていた。金を稼ぐため仕事を探す二人だったが、身分もなく後ろ盾もないため、なかなか見つからず。叔父のサイモンのところにも行くが、匿ってもらえず。しかし、そこの村で偶然目にした羊の煎毛からアリエナが何かを閃く。羊毛を運ぶ仕事をしようというのである。
(七章)
シャーリング伯領地の採石場へ行ったトムと石工たちだったが、なぜか先客がいる。戻ってきたトムからその話を聞いたフィリップはハムレイ夫人の仕業と思い、撃退するためある一計を施す。
ウォールランの謀略がキングズブリッジを襲う。
ヘンリー司教にキングズブリッジの大聖堂建築が遅々として進んでいないことを見てもらって、シャーリングに大聖堂を建築させることを企んでいた。しかし、修道院総出で、働きにくれば罪が赦されるということを信者たちに説いてまわり、その結果一千人もの人々ご集まり作業は捗る。視察当日、前評判とは打って変わって、活気のある現場を目にしたヘンリーを驚かせた。
(八章)
前章から三年後。ウィリアムの父パーシー・ハムレイ死去。シャーリングが潤わない原因はキングズブリッジにあると知ったウィリアムは、石切場に赴き、殺戮を始める。
(九章)
「内戦によって最初に犠牲にされるもの、それは正義なのだ、とフィリップは悟った」(p.273)

石切場の事件の報告を聞き胸を痛めたフィリップは王に直訴するためリンカンに出向く。リンカンでは内戦(リンカンの戦い)の最中だった。その戦争にマティルダ(ヘンリーⅠ世の娘)軍が勝利したのだが、戦闘に巻き込まれたフィリップは一時投獄されたが、一夜の後突如として解放される。いきなりのことに訝るフィリップだったが、案内されるままについていくと、そこには女王の書記官となった弟フランシスがいた。
石切場の権利を女王に願い出ていたフィリップだったが、その権利はウィリアムに渡り、その代わりキングズブリッジで市を開いてよいことになった。100ポンドの上納金を納めるという条件付きだったが。財政難に悩んでいるフィリップだったが、羊毛商となったアリエナ、キングズブリッジで羊毛市を開けばよいという弟の助言によって、打開策を見いだす。
(十章)
p.414アリエナがアルフレッド(トムの息子)に「かってにほざけ」とゆっくり言う場面笑った。

ジャックの章とでもいうべき章。アリエナとの逢い引き。アルフレッドとの兄弟喧嘩。罰としてジャックは修道士になる。アリエナとの疎遠。
ウィリアムによるキングズブリッジ焼き討ち。大事な人が命を落とす。
(十一章)
ウィリアムによる焼き討ちによって全財産を失ったアリエナ。弟をシャーリング伯にするという父との誓いを守るため、アルフレッドがリチャードを金銭面でサポートするという条件をのみ、アルフレッドの妻になることを決意する。結婚式当日、「服従の間」に放り込まれていたジャックだったが、母から助けられ、アリエナの家を訪ねる。そこで二人は愛を交わすが、アリエナにアルフレッドとの結婚を取りやめさせることはできず、ジャックはキングズブリッジを去っていく。


おもしろかった。尻上がりにグングン引き込まれていく。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 海外文学
感想投稿日 : 2015年1月18日
読了日 : 2015年1月15日
本棚登録日 : 2015年1月15日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする