世界的に有名な宗教学者であったエリアーデは、
実は幻想文学作家でもありました。
以前、福武文庫から出ていた『ホーニヒベルガー博士の秘密』
――とても面白かったのに、何故か手放してしまい(←バカ)
気が付いたときは絶版で再入手不可能になっていたんですが、
エリアーデの小説は、
私の知らない他の本も殆ど同じ目に遭っていたようで、
今年、発表年代順に編集された全集の発売を以って復刻、
という運びになった模様。
で、第1巻に「ホーニヒベルガー博士の秘密」と、
文庫に併載されていた「セランポーレの夜」が掲載されている
というので、ハードカバー、お値段¥4,800にも拘らず購入。
うう(^_^;)。
通読しての感想は……やはり長期間に渡って書き続けると、
段々(どんどん)巧くなるものなのか!ってとこでしょうか。
巻頭の「令嬢クリスティナ」<1936>なんか、
雰囲気よく分かるし、好みなんだけど、
いかんせんゴチャゴチャして読みづらい。
ところが四年後に発表された「ホーニヒベルガー博士の秘密」は、ぐっとスッキリしてて、文章が洗練されたという感じで、
内容と語りがしっくりと一体化している訳です。
おおぉぉ(笑)。
今回そのことに一番感動しましたが、しかし、
やはり如何にも幻想小説的なトリックとオチが堪らんです。
ハイ。
大体見当は付いちゃうんだけど、素直に分からないフリをして
読み進める(笑)のがベストでしょう。
しかし、この作品のタイトルは寧ろ、
「ゼルレンディ博士のひみつ日記」の方がピッタリだと思うのは
私だけだろうか(←って、おいおい☆)。
それから、もう一本、
特に印象深いのが1948年発表の短編「大物」。
このタイトルから、
普通どんなストーリーを思い浮かべるでしょう。
これがもう、見事に意表を衝かれて大笑い(^^ゞ。
でも、こういう荒唐無稽な話って好きだわ。
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- 感想投稿日 : 2011年12月11日
- 読了日 : 2003年11月21日
- 本棚登録日 : 2011年12月11日
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