「グレート・ギャツビー」を追え (単行本)

  • 中央公論新社 (2020年10月7日発売)
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感想 : 88
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グリシャムがフィッツジェラルドものを書いて、春樹が訳す。
何というコラボレーション。

プリンストン大学に保管されているフィッツジェラルドの手書き原稿がプロの窃盗集団の手によって奪われる。

行方を追う役に白羽の矢が立ったのは新作の出せない女流作家としての人生に悶々と思い悩みつつ、大学の非常勤講師の職を今まさに失いかけるところのマーサー。
原稿の在りかとして疑いの目が向けられているのは、フロリダ州カミーノアイランドの独立系書店のオーナー、ブルース・ケーブル。

悩める素人女性スパイと粋な伊達男の腹の探り合いをベースとしたジェットコースター系ミステリ。
実力あるミステリ作家としての成せる業なのか、訳者の表現力によるものなのか定かではないが、すっと馴染みつつ、薄っぺらくないストーリーテリングに、あまり好みではないジャンルの割に引き込まれ楽しく読めた。

ダブル主役の双方を次回に向けて生かしておく結末も粋。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 海外ミステリ
感想投稿日 : 2021年4月17日
読了日 : 2021年3月21日
本棚登録日 : 2021年4月17日

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