罪人よやすらかに眠れ

著者 :
  • KADOKAWA/角川書店 (2015年12月2日発売)
3.13
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  • (17)
  • (3)
本棚登録 : 298
感想 : 60
3

星3つにしているが、厳密にいえば2.5といったところ。
カテゴリもミステリーにしてみたが、個人的には強引な導きが多かったしミステリーと言うよりはエンタメと言ったほうが良いかも知れない。

札幌の中島公園の西側にある、大きな館『中島家』。
そこを訪れる者は何かしらの業を抱えている…というテーマの元、6人(組)の客が訪れ、中島家の探偵役・北良という青年がその『業』を解き明かす連作集。

訪問の仕方はそれぞれだが皆偶然。
酔っ払って動けなくなってしまったり、道に迷ってたまたま家人と出会ったり、熱を出して動けなくなったところを家人に見つけられて連れてこられたり、近くにあったはずの友人の家を訪ねたところ行き着いたり。
連れてこられた館内でその『業』についての解明が始まる。

この謎解き部分は石持さんらしいと言えばそう言えるのだが、そんな些細なことで?とか、それは想像というより妄想では?と思ったりかなり強引なところもあるのだが、結果的には北良の解き明かす通りの真相が明かされる。
肝心のその後なのだが、なんと主人の中島から『謎が解かれてしまった以上、あなたはここにいてはいけないんです。悪く思わないでください』と館から放り出されてしまう。

一方で『罪人』の方のその後は分からない。
タイトルからして不穏な結末が待っているのかなとハラハラしていたら『3人めの客』ではついにその一端が明かされる。
だがそれは直接館の人間が関わったことではない。

結局読み終えて分かったのは、
何らかの『業』を抱えている人はこの館に引き寄せられ、その謎が解き明かされた時は館から出ていかなければならない。
そして『中島家』にいる人々も何かしらの『業』を抱えている。
ということだけ。

石持さんらしい、謎解きだけに焦点を当てた、それ以外の部分は悪く言えば置き去りの作品。
悪くはないのだが、もう少しキャラクターやミステリー部分に魅力があれば良かった。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ミステリー・名探偵
感想投稿日 : 2019年11月8日
読了日 : 2019年11月7日
本棚登録日 : 2019年11月8日

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コメント 2件

やまさんのコメント
2019/11/09

fukuさん
おはようございます。
いいね!有難う御座います。

fuku ※たまにレビューします さんのコメント
2019/11/09

やまさん
いつも楽しくレビューを読ませていただいています。
これからも宜しくお願いします。

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