最後の晩ごはん 海の花火とかき氷 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA (2017年12月21日発売)
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本棚登録 : 714
感想 : 59
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夜だけ営業の定食屋〈ばんめし屋〉を舞台にした、ちょっと不思議な事件とドラマを描くシリーズ第9作。

今回は海里が幽霊に襲われるという、なかなかハードな始まり。
車道に突き飛ばされて車に引かれかけたり、首を絞められて殺されそうになったり。
一体幽霊の女性は海里に対してどんな怨みを募らせたのか、プロローグに出てきた芸能人時代のラジオでの相談に関係するのかとあれこれ考えていたら、まさかの…。

しかしこの幽霊女性の元カレはクズ過ぎる。女性も短絡的ではあったけれど。
しかし考えようによってはこんなことで、プロローグに出てきたようなちょっとしたラジオ相談で怨みを買うこともある。
人に注目されるということは恐いことでもある。

今回は海里の人の好さと、ロイドとの絆が感じられて良かった。普段から喧嘩しつつも仲の良い海里とロイドだが、海里の危機に本気で立ち向かい、海里がボロボロになったロイドを必死で直すシーン、ラストの二人のやり取りは良かった。
人と付喪神という、種を越えた関係でも通じ合うというのは心地好い。
これからも二人の喧嘩しつつも仲の良い関係を見ていきたい。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ドラマ ハートウォーミング
感想投稿日 : 2019年9月16日
読了日 : 2019年9月16日
本棚登録日 : 2019年9月16日

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