月刊誌や旅屋おかえりのTVでは見ていたが、単行本として読むのは初。
引きこもりの24歳の麻生人生の出だしは重い話しで読み辛かったが、母親がまさかの失踪。そこから急展開。どこまで親が引きこもりの子供の面倒を見るか、どうすれば子供が立ち直れるのか、個々に違うのかも知れないが、こういうショック療法もありかなと思った。
母親の残した年賀状に導かれ、祖母に会いに行った先で同様に引きこもりの義理の妹との出会い。認知症となっていた祖母が二人を徐々に変えて行く。自然農法で米作りをしていた祖母のために農法を引継ぐ決意をした二人。それを援助する周辺の人々。そこに就活で迷走する知り合いの息子。息子は麻生人生と喧嘩別れのようになってしまったが、麻生は「生きるぼくら」というタイトルで毎日のように田の様子をメールする。それで、この息子も復活。稲作りでの村人たちや孫たちとの交流により奇跡的に認知症から一部回復する祖母とのやり取りに涙する。完全に引きこもりから回復する麻生人生と義理の妹との心の交流、最後の失踪した母親との邂逅。本当に心が温まる作品でした。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
小説
- 感想投稿日 : 2022年7月7日
- 読了日 : 2022年7月7日
- 本棚登録日 : 2022年7月7日
みんなの感想をみる