はっきりいって、最近の読書のなかでは一番苦労した。もともと気になっていた本だし、まだまだホモセクシュアリティの研究書で日本語で読めるものは少ない。かといって、本書が全般的に難解な文章から成っているわけではない。序文の問題設定は非常に明白で、ホモ・セクシュアリティに関する単純化された議論を複雑化しようとする意図は納得。
しかし、1章から始まる具体的な作品を通しての分析・議論は私にはとてもとっつきにくい。前半はそもそも著者名も作品名も聞いたことのないものばかりでしょうがないが、後半ではプルーストの『失われた時を求めて』が取り上げられる。『失われた時を求めて』は数冊呼んだことがあるが、それでもやっぱりついていけない。それはやはりこの日本社会におけるホモ・セクシュアリティの状況、まあそれほど大きくなくても私自身の周囲における状況があまりにも違いすぎるからだろうか。
しかし、本文を読んでいて理解できなかった、ホモセクシュアリティの普遍化の傾向とマイノリティの傾向というテーゼが、役者のあとがきを読んで理解できたってのは、やはり私自身の読解力の問題か。ともかく、これ以上書けないちょっと悔しい読書でした。
セジウィックの前作『男同士の絆』を読むべきか否か。
読書状況:読み終わった
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批評
- 感想投稿日 : 2009年6月27日
- 読了日 : 2009年6月27日
- 本棚登録日 : 2009年6月27日
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