ヘヴン (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社 (2012年5月15日発売)
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わたしたちは仲間です

クラスメイトからの執拗で陰湿な苛めを
受け続ける僕に届いた差出人不明の一枚の紙。

新手の苛めと疑う中も手紙は届き続け、
恐る恐る呼び出された待ち合わせ場所に行くと
そこには同じように苛めを受けるコジマがいた。

誰かに知られるわけにはいかない二人は、
共犯者にも濃淡が違う同じ色にも見えます。

人は自分と違う理解できないことを恐れ、
嫌い、怖いからこそ排除しようとするだよ
というコジマ。

主人公の僕は斜視が原因で苛められてるが、
手術で治ると医師から知らされる。
悩む僕に母は、
「人と違うところが同じになったからといって、
大事なものが失われたり損なわれたりしない」
と手術に背中を押す。

本質は見え方が変化しても変わらない。
そのものが変わった時に初めて変化が現れる
と感じたラストでした。

深く複雑で重い読後感。


読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2022年6月2日
読了日 : 2022年6月2日
本棚登録日 : 2022年4月14日

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