竹宮惠子と萩尾望都という二人の少女マンガ家の人生を軸に、昭和30年代から昭和50年頃までの日本のマンガ界全般の黎明期と発展期をまとめた本。トキワ荘の話、手塚商事の話、大泉サロンに到るまでの話はかなり面白かったのだが、肝心の大泉サロン以降の話が、あまり本質的な所まで踏み込んでないように感じたのが、少しもったいない。特に後半は竹宮恵子の自伝「少年の名はジルベール」に視点・内容共にかなり引きずられている気がした。
でも、この本を読んで思ったのは、竹宮惠子は人と一緒でないと生きられない(もしくは人の評価に影響を受けやすい)人で、萩尾望都は一人でも生きていける人だからこそ、二人の作風はかなり違い、その後の人生も違ったのだろうな、ということ。私が竹宮作品がそこまで好きになれなかったのは、きっとその「構ってほしい」精神が自分的にはあまり合わなかったのだろう、とも思った。彼女が大学の先生になったことで、マンガ界へ優秀な人材を送り出したことは、彼女にとっても良かったのではないか、とも。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
ノンフィクション
- 感想投稿日 : 2020年7月10日
- 読了日 : 2020年7月8日
- 本棚登録日 : 2020年3月26日
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