さくら (小学館文庫)

著者 :
  • 小学館 (2007年12月4日発売)
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感想 : 846
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犬ころが家族の鎹(かすがい)になっているの、わかるな。
もの言わぬが語りかける瞳で、そこにいてみんなを癒してくれる。すきに放っておかれ後回しにされがちな存在なのにね。家族と、すべてを受けとめることと、そして、戻らない日々の愛おしさを、さくら色にみずみずしく味わえた作品。

「~みたいな」という直喩がたくさんあって、どれもしっくりくる素敵な喩えで、読んでいて気持ちよかった。直喩の多使用は故意にかな。子どもは直喩で世界を表現しがち。この表現の初々しさが、これまた「さくら」というタイトルと相まって春っぽかった。今、この桜の開花前に、読んでよかった。

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感想投稿日 : 2021年3月14日
本棚登録日 : 2021年3月12日

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