犬ころが家族の鎹(かすがい)になっているの、わかるな。
もの言わぬが語りかける瞳で、そこにいてみんなを癒してくれる。すきに放っておかれ後回しにされがちな存在なのにね。家族と、すべてを受けとめることと、そして、戻らない日々の愛おしさを、さくら色にみずみずしく味わえた作品。
「~みたいな」という直喩がたくさんあって、どれもしっくりくる素敵な喩えで、読んでいて気持ちよかった。直喩の多使用は故意にかな。子どもは直喩で世界を表現しがち。この表現の初々しさが、これまた「さくら」というタイトルと相まって春っぽかった。今、この桜の開花前に、読んでよかった。
読書状況:いま読んでる
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- 感想投稿日 : 2021年3月14日
- 本棚登録日 : 2021年3月12日
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