1938年に実際に行われた囲碁の対局に取材している作品。
著者はこの作品を書き終えるまでに十数年掛けている。
現在、碁に限らず他の盤上遊戯や相撲においても時間制限があり、棋士・力士はそれを考慮する必要があり、時には戦略の要素の一つとして用いられることもある。
しかし、この作品に描かれている本因坊秀哉の引退碁は、各々の持ち時間が40時間(実質は時間制限が無いようなもの)とされ、打掛(中断)を挟み挟み約半年の期間をもって終局した。
小説家による観戦記という性質から、棋士同士の交遊の様子や対局中の棋士の様子が中心として描かれていて、碁に明るくなくても充分に手に汗握る展開を楽しむことができる。
同書に棋譜も記載されているため、碁の経験のある人は碁盤に並べながら読むとより作品世界に没頭できると思われる。
解説は山本健吉。
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- 感想投稿日 : 2020年8月31日
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- 本棚登録日 : 2020年8月31日
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