すべてのまぼろしはキンタナ・ローの海に消えた (ハヤカワ文庫 FT)

  • 早川書房 (2004年11月9日発売)
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本棚登録 : 213
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「リリオスの浜に流れついたもの」
「水上スキーで永遠をめざした若者」
「デッド・リーフの彼方」

海から去来する幻想を、海の美しさや神秘性をあらわにしながら描く三編。
「水上スキーで永遠をめざした若者」が一番好みだった。
サンゴ礁のある豊かな海で、朝日ののぼる海を疾走する水上スキーとそれを駆る若い男。そして現れる古の都の姿。一枚の絵画のように美しい情景だ。

環境破壊や観光地化、海という大自然やマヤ族の文化からの復讐、など詩情を感じさせる美しい物語と込められた作品の意味が、ティプトリーの作品のなかでもとりわけきれいにまとまっている連作だと思った(ティプトリーには自身の持つ過剰な何かが噴出している作品が多いと思うので)
解説が背景から作品の意味まで詳しく書いてくれていて良かった。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2013年6月7日
読了日 : 2013年5月27日
本棚登録日 : 2013年5月27日

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