ダーウィンを超えて (中公文庫 い 69-1)

  • 中央公論新社 (1995年10月1日発売)
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感想 : 4
5

腹の座った読んで愉しい本である

生物の環境は相互適応しながら
全体論的ホーリスティックな見方をせずに
局部的な判断をすると暴力的な迷路に入り込んでしまう
行き当たりばったりの突然変異や
その場その場の勝ち残りを賭けた個体同士の生存競争や
自然選択に任せる適者生存・自然淘汰・・

自己同一性を保ちつつ自己完結的に変化する
部分的に見れば自然界は混沌としているが
全体的に見れば秩序だっている

進化は種によって方向性を伴って起ることで
システムとして成り立つが
個々のランダムな変化で一定の進化をすることはありえない

今西進化論はセオリーの前提として事実を見つめ
別々に思考することから始まり
個別からでなく「種」社会をベースとして進化を見る
このことによってダーウィン進化論を超え
全ての進化はお互いの関係によって
在るべくしてあるのだという姿勢をとることで
言語に文化に文明に統治と
社会の成り立ち全てを語るものといえるだろう

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2015年2月4日
読了日 : 2015年2月4日
本棚登録日 : 2015年2月4日

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