松陰もそうだが、晋作の生き様で最も頭を悩ませたもの。彼らは何のために生きたのか?かつて松陰は「どの人間の生にも春夏秋冬はある」と言ったとか。それは分かる。しかし松陰はその春夏秋冬の果てに生きる道を語る前に死に陶酔してしまった。晋作はどうだろうか?彼の人生の行動をまとめると、戦争と芸者遊びと妾との逃避行の繰り返し。もはや生の意味を語る以前の問題。開国に向けた指導者の物語というより、幕末の日本に生きることを真に楽しんだ、文字通り「世に棲む」一人の人間としての姿に、偉大さというより親近感を覚えてならない。
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- 感想投稿日 : 2016年1月16日
- 読了日 : 2016年1月16日
- 本棚登録日 : 2015年5月10日
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