ネロ帝死後に帝位に就いたガルバ・オトー・ヴィテリウスの3人による内乱を平定した後のヴェスパシアヌス帝の物語です。紀元69年のローマ人による帝位をめぐる内乱の時期に勃発したガリアで発生した反乱と,その前後の時期に発生したユダヤ戦役,そしてそれらの反乱を鎮圧した後のヴェスパシアヌス帝の治世が話題になっています。
内乱の経緯を描写することでの内乱の性質とそれへの対応に関する記述,そしてユダヤ戦役を舞台としての民族性に関する記述は,現在でも影響している課題にも通日内容が多いとおもって読み進めていました。
そして,これらの大きな2つの反乱の後に帝位に就き,ネロ帝の後の混乱を収めて再建し,再びローマを成長軌道に乗せたヴェスパシアヌス帝を,時代が求めた指導者として,塩野さん「健全な常識人」と評します。塩野さんらしい表現だと思っています。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
塩野七生
- 感想投稿日 : 2014年2月12日
- 読了日 : 2014年2月12日
- 本棚登録日 : 2014年1月24日
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