悲しみをゆっくり溶かすように優しく包み込んでくれるような短編集。素敵な言葉がたくさん散りばめられている。物語を通して、自分の大切な思い出の欠片が次々と思い出され、切ない気持ちになるのだけど不思議と癒された。
悲しいことが起きる度、こころに蓋をして生きてきた。でも、それはもったいないことだったのかもしれない。悲しい、も大切な気持ちだったんだなぁと。
感情は自分だけのもの。よしもとばななさんの文章を読むと、どんな感情も味わうことで人生に深みが出るような気がしてくる。
高校生のとき、「自分を大切にできないと人を大切にはできない」と担任から言われたことがある。もしかしたら自分の気持ちを蔑ろにしているように見えたのかもしれない。当時わからなかった言葉の真意が、今なら少しわかる気がする。
もっと早くこのことに気づけていたら、少しは楽に生きられたのかな。そして人を大切にできたのかな。
この本に出てくるみたいに、寄り添ってくれる人がひとり、いてくれたら。いや、もうこの本に出会えただけで十分なのかもしれないなぁ。
ドラえもんとのび太みたいに、ふすまの前で、ふたりともざぶとんに寝転がって、いっしょにどらやきを食べながら、マンガを読んでいる。それが理想だという男の子。
ほんと、幸せってそういうことなんだと思う。
今、私は幸せだ。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2022年11月2日
- 読了日 : 2022年10月31日
- 本棚登録日 : 2022年10月28日
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コメント 3件
aoi-soraさんのコメント
2022/11/02
松子さんのコメント
2022/11/02
ひろさんのコメント
2022/11/02