私の消滅

著者 :
  • 文藝春秋 (2016年6月18日発売)
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本棚登録 : 2038
感想 : 218
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事実とそうでないものが入り混じって、さらに私や彼や男や医者は誰のことを指しているのか、この章は本当は誰のことを言っているのかということが、ページをめくる度に少しずつ明らかになり、まるでパズルのようだった。残酷な物語だけど強烈な引力を持ち、夢中で読んでしまった。

ストーリー以外の様々なところにも工夫がこらされていた。
一見何の意味もないような表紙の黒い線はここでいう悪意。
タイトルもとても示唆に富んでいて、絶妙で奥深いものだった。
最後が最初に戻るという構成は『去年の冬、きみと別れ』と対になっていた。私が一番好きな作品なので嬉しかった。


「私が気を遣う人間なのだとしたら、それはそのまま、世界に対する壁」

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2020年4月27日
読了日 : 2019年11月5日
本棚登録日 : 2020年4月27日

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