事実とそうでないものが入り混じって、さらに私や彼や男や医者は誰のことを指しているのか、この章は本当は誰のことを言っているのかということが、ページをめくる度に少しずつ明らかになり、まるでパズルのようだった。残酷な物語だけど強烈な引力を持ち、夢中で読んでしまった。
ストーリー以外の様々なところにも工夫がこらされていた。
一見何の意味もないような表紙の黒い線はここでいう悪意。
タイトルもとても示唆に富んでいて、絶妙で奥深いものだった。
最後が最初に戻るという構成は『去年の冬、きみと別れ』と対になっていた。私が一番好きな作品なので嬉しかった。
「私が気を遣う人間なのだとしたら、それはそのまま、世界に対する壁」
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2020年4月27日
- 読了日 : 2019年11月5日
- 本棚登録日 : 2020年4月27日
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