絶望 (光文社古典新訳文庫 Aナ 1-2)

  • 光文社 (2013年10月8日発売)
3.78
  • (12)
  • (13)
  • (20)
  • (1)
  • (0)
本棚登録 : 230
感想 : 26
4

『ロリータ』を容易く挫折したナボコフを読み解く資質に欠ける私でも『カメラ・オブスクーラ』とこの『絶望』は充分楽しめました。いちいち分析しなくとも皮肉的なニュアンスは感じ取れます。そして徐々に露わになる主人公の狂気にもんどり打つことに。まぁ初めから伏線は張られているのですが、気付かず読み過ごす(私のような)愚直な読者にこそ驚きをもたらすとも言えるのでは。で、後になって「なるほど〜」と振り返るのもまた一考かと。少しずつでも距離を縮められるよう、このような馴染みやすいナボコフの翻訳をこれからも期待します。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ロシア文学
感想投稿日 : 2014年1月13日
読了日 : 2013年10月12日
本棚登録日 : 2014年1月13日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする