あきない世傳 金と銀 源流篇 (ハルキ文庫 た 19-15 時代小説文庫)

著者 :
  • 角川春樹事務所 (2016年2月12日発売)
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本棚登録 : 2769
感想 : 325
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大好きな江戸グルメ小説「みおつくし」シリーズの高田郁先生の次作シリーズ。
こちらも商売物ですが、食ではなく、着物でした。
舞台は大阪、江戸時代の商売の本場は江戸街でなくて大阪なんですよね。大阪を舞台にした商売ものは江戸よりシビアというか、縛りも厳しくて途中でのし上がるのは大変なイメージです。
天保の飢饉で親兄弟を亡くし、9歳で大阪の呉服問屋、五十鈴屋の女衆として奉公にあがった幸。
女に学問、女に金勘定を任せるなんて認められなかった頃に、只ならぬ才を魅せる。
父親が学者という遺伝なのか、頭も良く、のちに番頭候補となるべく丁稚奉公している男の子よりも飲み込みが早い。それでも奥の女衆としてしか働く事ができないのが可哀想。
でも、そこは高田先生の作品ですから、これから幸がのし上がっていくのでしょう。
五十鈴屋の若旦那が放蕩者なのが、いかにも取って代わるイメージしかないです(笑)
あいも変わらず、女性が逞しく頼もしく、強い高田作品は読んでいて元気になるし引き込まれます。
1巻ずつ読むよりも、まとめ読みしたくなります。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2021年12月21日
読了日 : 2020年5月14日
本棚登録日 : 2020年4月15日

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