どれも5ページ前後で書かれた短編集。
どの作品にも最後に皮肉な笑いや刺がある結末が用意されているが、この冷笑すら見えるラストをユニークだと感じるか、はたまた嫌悪と感じるかは人に寄るかと思う。
同年代で活躍した短編の名手オー・ヘンリーとよく比較されるが、分かりやすい毒のはらんだサキの方が個人的に好みだった。以下、印象的な作品を簡単に。
「二十日鼠」…婦人の前で服を脱ぐなんて!と鼠に翻弄され続ける英国紳士
「平和的玩具」…英才教育と思い与えた玩具がまさか…
「七番目の若鶏」…作り話の手練れたる受難
「十三人目」…13という数字は不吉だという理由であらぬ奮闘をする困った夫婦
「開いた窓」…神経衰弱の治療で訪れた主人公に舞い込む新たな悲劇
「家庭」…妻の細やかな気配りを煩わしく感じる夫、とつい女寄りで読んでしまう
「ある殺人者の告白」…先人から学んで備えよう(笑)
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
外国文学
- 感想投稿日 : 2015年4月10日
- 読了日 : 2015年4月10日
- 本棚登録日 : 2015年4月10日
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