上下巻。
「人形への恋」を扱った作品あったかな・・・と本棚を探してたら見つけた。
読み直したら、やっぱりすごいマンガだ、と再評価。
ある日、流行作家・美倉洋介は駅前でバルボラをひろう。
都会が何千万という人間をのみ込んで消化し・・・・・・たれ流した排泄物のような女―それがバルボラだ。
飲んだくれでグータラ、薄汚くて厚かましく気まぐれでおせっかい、そんなバルボラと奇妙な同棲生活を始める美倉。
実はバルボラは芸術の女神・ミューズ姉妹の末っ子だったのだ。
芸術家の才能を昇華もさせ、破滅もさせる、バルボラの魅力にとりつかれる美倉。
いつしか美倉も破滅への道を向かっていた。
でもたとえ美倉が消えようと、彼の作った芸術は残る。
このマンガは、芸術の永続性について書いてるん・・・ですよね。
手塚治虫が死んでも、手塚治虫のマンガを読める幸せ。
欲を出すと、ミューズはいとも簡単にいなくなる。
異常性癖をもつ美倉が、第一話目で愛すのがデパートのマネキン人形。
二話目では、犬。
芸術家と異常性癖は隣り合わせなんかな。
この辺、興味あるわ〜
あとこのマンガ、ヴードゥーとか黒魔術に黒ミサまで出てきて、手塚治虫の興味の広さにびっくりでした。
ボードレールとかバルザックとヴェルレーヌとかフランス文学からの引用が多くて、ちょっと勉強になった。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
マンガ
- 感想投稿日 : 2009年1月31日
- 読了日 : 2009年1月31日
- 本棚登録日 : 2009年1月31日
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