ばるぼら 上 (角川文庫 ん 11-31)

著者 :
  • KADOKAWA (1996年12月1日発売)
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本棚登録 : 244
感想 : 30
5

上下巻。
「人形への恋」を扱った作品あったかな・・・と本棚を探してたら見つけた。
読み直したら、やっぱりすごいマンガだ、と再評価。


ある日、流行作家・美倉洋介は駅前でバルボラをひろう。
都会が何千万という人間をのみ込んで消化し・・・・・・たれ流した排泄物のような女―それがバルボラだ。
飲んだくれでグータラ、薄汚くて厚かましく気まぐれでおせっかい、そんなバルボラと奇妙な同棲生活を始める美倉。
実はバルボラは芸術の女神・ミューズ姉妹の末っ子だったのだ。
芸術家の才能を昇華もさせ、破滅もさせる、バルボラの魅力にとりつかれる美倉。
いつしか美倉も破滅への道を向かっていた。
でもたとえ美倉が消えようと、彼の作った芸術は残る。

このマンガは、芸術の永続性について書いてるん・・・ですよね。
手塚治虫が死んでも、手塚治虫のマンガを読める幸せ。

欲を出すと、ミューズはいとも簡単にいなくなる。

異常性癖をもつ美倉が、第一話目で愛すのがデパートのマネキン人形。
二話目では、犬。
芸術家と異常性癖は隣り合わせなんかな。
この辺、興味あるわ〜
あとこのマンガ、ヴードゥーとか黒魔術に黒ミサまで出てきて、手塚治虫の興味の広さにびっくりでした。


ボードレールとかバルザックとヴェルレーヌとかフランス文学からの引用が多くて、ちょっと勉強になった。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: マンガ
感想投稿日 : 2009年1月31日
読了日 : 2009年1月31日
本棚登録日 : 2009年1月31日

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