プラネタリウムのあとで

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  • 講談社 (2005年11月25日発売)
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感想 : 30

心の中の小さなしこり。どんどん硬くなり、抱え込んだそれの重みに耐えられなくなると、石となって破れて落ちる……心の中で石を作る少女の恋は意地悪なクラスメイトに粉々に砕かれて。
地球と交信する地球少女は身体が膨張する少年に「地球を救って」と頼み、乙女の血…ならぬ脂肪を吸う吸脂鬼の来訪を夜毎待ちわびる、BL小説家を目指す少女の周りを原稿用紙に書かれた文字が黒い霧となって漂い、最近彼女ができたクラシックマニアの少年は悲しみの鎧から脱皮する異母姉の抜け殻の破片を食べて、はじめて彼女の全身を貫く悲しみの味を知った。

──そう、みんな同じように見えても、世の中には変わった人間がうじゃうじゃいるものなのだ。


『プラネタリウム』に続く世界谷に住む子供たちの、変にリアルな生態と不思議なファンタジー。前作と微妙にキャラクターがリンクしてます。

読書状況:未設定 公開設定:公開
カテゴリ: ―梨屋アリエ
感想投稿日 : 2013年7月20日
本棚登録日 : 2013年7月20日

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