刑罰

  • 東京創元社 (2019年6月12日発売)
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本棚登録 : 376
感想 : 49
4

面白かった。
さすがシーラッハ。ドイツ屈指の現役弁護士の底力。
ミステリとも文学とも分類不能で、必ずしも法廷が舞台でもなく。「シーラッハ」一人で1つのジャンルみたいだ。

どの話も、シリアスな状況であまり楽しくない事件があって幸せとは言い難い結末がつくのに、淡々と語り進められて、重いのに読み易い。翻訳にも恵まれているのかな。
ただ読後感は、我が身に引き寄せて考えさせられるという感じではなく、世の不条理さを突きつけられて諦観を強いられるといった感じ。どっちがいいとかじゃなくね。
その中でも「奉仕活動」の一遍は、現実を突きつけられて出鼻を挫かれそうな新米弁護士の話で、多少はセンチメントを感じられるかな。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 2020/11
感想投稿日 : 2020年11月30日
読了日 : 2020年11月30日
本棚登録日 : 2020年11月30日

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