目の前の当たり前 が誰かの一言によって簡単に囚われ、縛られ、大きく狂い出し、人生を思いがけない方向に転換させてしまう。言葉の力って良くも悪くもやっぱり凄いものだ。人を救うこともあれば簡単に底に落とす事だって出来てしまう。しかも人はそれを善意や悪意で使いこなしているわけでは無い。誰もが誰かに何かの影響を与えているんだなぁ。
悲しいですね。悪人がいないんですもの。
愛や誰にでもある筈の当たり前の保身に身体を委ね、罪に耐えられない心を放棄すればどれだけ楽になるか分からないのにそれをしない、出来ない少女達。ここに、極悪人がいてくれればこのもどかしさを全てぶつけてやると言うのに。
この物語には 悪意 が存在しない。何もかも正義で片付けられるとは限らないのだ。麻子さん含め、彼女達をあの様な形で見届けた事に不快感は無い。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
日本作家
- 感想投稿日 : 2020年10月4日
- 読了日 : 2020年10月4日
- 本棚登録日 : 2020年7月10日
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