紙の月 (ハルキ文庫 か 8-2)

著者 :
  • 角川春樹事務所 (2014年9月13日発売)
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あるきっかけで1億円の横領犯となった主婦の物語で、余白なく書き込まれた登場人物達の息苦しい心情描写に圧倒されながらもジェットコースターに乗った時の様な恐怖心と好奇心で一気に読んでしまった。女性陣に全く共感はできなかったが、梨花や亜紀がお金でしか繋がれない自分に気付く終盤には息を呑んだ。表面的な部分で繋がろうとすればするほど自分の首も相手の首も絞め、やり直せたとしても再度同じ自分に辿り着いてしまう人の愚かさに胸が痛む。木綿子の唐突な結末や山田夫妻の蛇足感が気にはなったが、読了時に思わず溜息を吐いてしまった。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2018年6月20日
読了日 : 2018年1月16日
本棚登録日 : 2018年6月20日

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