寓意とユーモア、そしてシュールさが溢れる、安定の安部公房ワールド。
そこには、ふわふわと水中を漂うかのような、不安定さもある。
これを読んでると、形ってなんだろうって思う。
自分が見ているものの形と、その実際の形には乖離があって、一体そのどちらが正しいのだろう。いや、もしかしたらどちらも間違っていて、正しいかどうかなんて、誰にも分かんないのかも知れないな、と言う気持ちになってくる。
闖入者は読んでいて胸糞悪かった。ただ、そのじっとりとした湿度を感じる嫌な読後感は、砂の女含めて、安部公房作品に通ずるものがある…良いな…
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2021年8月15日
- 読了日 : 2022年12月28日
- 本棚登録日 : 2020年6月5日
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