ひとりの夜を短歌とあそぼう (角川ソフィア文庫 D 102-2)

  • 角川学芸出版 (2012年1月25日発売)
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感想 : 30
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YouTubeで10年前ですが、この本の出版記念動画を見つけたので取り寄せてみた。
https://www.youtube.com/watch?v=kBEK0MnPZqM&t=15s
なんと令和4年4月に再版ということであとがきが新しくなって嬉しい。
大人の修学旅行的に短歌を夜通し鑑賞する感じ、引率の先生は穂村弘先生と東直子先生☆
挿絵も豪華な著名人が担当されてます。

お題は嫉妬、べたべた、えらぶ、芽キャベツ、空・海、自慢する、夏の想い出というラインナップ。
お題が難しいのに皆さんの歌がどれも素敵で真似したい

穂村さんのコメントが本当に良くて、作者はとても嬉しいだろうなあという愛ある言葉で何度も味わえる。
エネルギー感というのは万能なところがある
ただぼおっと見ていたのでは永遠に見つからない。体を差し込んでいかないと分からないこと
残る歌っていうのは、そのときうわーってのけぞるような恥ずかしい歌
効率が悪いということが二人の親密さの証し

東さんのコメントは言葉が個性的でインパクトがある
関係性のニセモノ感を表現している
幸せな判断停止状態
人の歌を批評することによって、自分自身の問題も分かってくる
ゲル状になってひたひたと心に染み込んでくるような歌

 東さんの特に好きだった歌
芽キャベツはつやめきながら湯にうかぶ<生まれる前のことを話して>
 シュールな物語が始まりそうな夢見心地 お料理したくなる

 穂村さんの特に気になった歌
こんなめにきみを会わせる人間は、ぼくのほかにはありはしないよ
 まああ、いやらしい自慢かしら、と思ったら江戸川乱歩の明智探偵のセリフをアレンジしたらしい

「自転車のサドルを高く上げるのが夏をむかえる準備のすべて」
 これからの季節にもぴったりのさわやかな風がふきそう。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ほむほむワールド
感想投稿日 : 2022年6月4日
読了日 : 2022年6月4日
本棚登録日 : 2022年6月4日

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