『作家の本棚』で角田光代さんの本棚にこちらの本があったので読みたくなった。
親の遺産で生活、妻子がいるのに他の女性に現を抜かす体たらくな島村と駒子との悲哀の伴うやりとり、美しい声の持ち主葉子の登場で一層せつなさが募る。
紅葉を赤錆色とし、「紅葉の錆色が日毎に暗くなっていた遠い山は、初雪であざやかに生き返った」叙情的美しさを引き立てる文章を何度も読んで味わう。
雪の季節でモノクロの風景の中に、女性を特に赤で表現する鮮やかさでひと際美しさが際立つ。「白い陶器に薄紅を刷いたような皮膚で、首のつけ根もまだ肉づいていないから、美人というよりもなによりも、清潔だった。」
「肉の盛り上がった肩に黒い襟巻を巻いて、娘は全く燃えるようにみごとな血色であった」
「背に吸いついている赤い肌襦袢が隠れた」
舞台となった越後湯沢へいつか行ってみたい。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
川端康成
- 感想投稿日 : 2022年12月4日
- 読了日 : 2022年12月4日
- 本棚登録日 : 2022年12月4日
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コメント 9件
なおなおさんのコメント
2022/12/04
☆ベルガモット☆さんのコメント
2022/12/04
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2022/12/04
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2022/12/04
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2022/12/27
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2022/12/29
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2023/12/24
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2023/12/24
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2023/12/24