「生命とは何か」と問う時、「死」はけして切り離せない主題である。しかし、それはあくまで、生命はすべて「死」ぬということにおいてである。まさか、生命が「死」なないということから考えるとは思いもよるまい。「最強生物」と名高いクマムシ、そして実はそれより強いとされるネムリユスリカの乾燥幼虫の存在。他、摂氏122度の超高温、2万気圧の超高圧(地球上に存在しない)、濃度10%を越える高塩分(海水は3.5%)、毎時6000万シーベルトの強放射線(人間の法令で定められている上限は5万シーベルト)、40万Gの強重力(人間の上限は9G)、およそ信じ難い極限環境を、すまし顔でのさばる紛うことなき生命たち。著者の巻末見解、生命がエントロピー増大法則の中で、散逸構造をとりつつ、その増大を加速しているというのは慧眼。あらためて自己組織化の意味に思い馳せる。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
未設定
- 感想投稿日 : 2014年4月14日
- 読了日 : 2013年12月21日
- 本棚登録日 : 2014年4月14日
みんなの感想をみる