おもかげ

著者 :
  • 毎日新聞出版 (2017年11月30日発売)
3.72
  • (78)
  • (109)
  • (98)
  • (22)
  • (8)
本棚登録 : 867
感想 : 116
5

『忘れざる人々のおもかげを胸いっぱいに抱えて、僕はもういちど地下鉄から生まれた』竹脇正一65歳、12月25日に定年退職、その日に丸ノ内線で脳内出血で倒れる。正一は父母に捨てられ、養護施設で育つが、持ち前の努力で一流企業で勤め、妻、娘と暮らす(息子は他界)。死の淵で彼は多くの人と話すことで過去を想い出し浄化する。その想い出の想起は最初は辛いものであったが、徐々に過去を受け入れる。母を受け入れ、妻を受け入れ、娘も、息子も、自分も。その傍には丸ノ内線が走っている、彼の想い出とともに。久しぶりに泣いた。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 涙腺が緩む
感想投稿日 : 2020年8月11日
読了日 : 2020年2月18日
本棚登録日 : 2020年8月11日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする