『忘れざる人々のおもかげを胸いっぱいに抱えて、僕はもういちど地下鉄から生まれた』竹脇正一65歳、12月25日に定年退職、その日に丸ノ内線で脳内出血で倒れる。正一は父母に捨てられ、養護施設で育つが、持ち前の努力で一流企業で勤め、妻、娘と暮らす(息子は他界)。死の淵で彼は多くの人と話すことで過去を想い出し浄化する。その想い出の想起は最初は辛いものであったが、徐々に過去を受け入れる。母を受け入れ、妻を受け入れ、娘も、息子も、自分も。その傍には丸ノ内線が走っている、彼の想い出とともに。久しぶりに泣いた。
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涙腺が緩む
- 感想投稿日 : 2020年8月11日
- 読了日 : 2020年2月18日
- 本棚登録日 : 2020年8月11日
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