斜陽

著者 :
  • 2012年9月27日発売
3.83
  • (85)
  • (143)
  • (111)
  • (11)
  • (4)
本棚登録 : 1544
感想 : 142
5

単に高貴な貴族の堕ちていく様を描写したのではない、一人の女性の「恋」と「道徳革命」を突き詰めた作品だった。第二次世界大戦後、貴族はその役割が終焉し、その高貴さ故に退廃した日本で生きにくくなる。「思想?ウソだ。主義?ウソだ。理想?ウソだ。秩序?ウソだ。誠実?真理?純粋?みなウソだ」かず子の焦り、それは、母親の死、女性としての生命が腐ってしまうことである。かず子は上原二郎への恋を成就させ、子を授かりたいたいと願う。かず子は上原との子どもに恋をしていたのだろうか?堕ち行く女性の脆さとともに強さも見せつけた。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 不条理
感想投稿日 : 2020年7月21日
読了日 : 2020年6月20日
本棚登録日 : 2020年7月21日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする