モモちゃんとアカネちゃんの本(1)ちいさいモモちゃん (児童文学創作シリーズ)

著者 :
  • 講談社 (1974年6月27日発売)
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本棚登録 : 1155
感想 : 145
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 モモちゃんがうまれたのは、なつでした。
青いそらに、お日さまがぴかぴかひかって、あんパンみたいなくもが、いっぱいとんでいました。
おへやの中では、はとどけいが、ポッポー、ポッポーって二つ、ねむそうになきました。
 そのときですよ、モモちゃんがうまれたのは。おぎゃあ、おぎゃあってないてね。


赤ちゃんのモモちゃんが、3歳になるまでのすくすくと育つ様子が、優しい語り口で語られます。
モモちゃんの成長は、ママやパパ、クロネコのプー、にんじんさんやじゃがいもさん、もぐらさんやうさぎさん、そして「あかちゃんのいえ」の先生たちやお友達たちが見守っています。
モモちゃんはクロネコのプーとけっこんしきごっこをしたり、お友達のコウちゃんとカバさんの散髪をしたり、嫌いって言っちゃったから泣きながら逃げ出してしまったにんじんさんを追いかけたりします。
そしてママは、大きくなるモモちゃんのためにパンツを30枚作ったり、ももちゃんを「あかちゃんのいえ」に預けて毎日働いて、帰ってきたらぎゅっとモモちゃんを抱きしめます。

なんとまっすぐな成長とそれを見守る眼差しのおおらかさ。
人間がのびのびすくすく育つというそのものがお話に現れています。
 モモちゃんはもうあかちゃんじゃないもん、もうおおきいんだもん!
風にも負けずに走り出すモモちゃんの、小さいけれど力強い姿が胸に響きます。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 小学校教科書紹介本
感想投稿日 : 2021年6月15日
読了日 : 2021年6月15日
本棚登録日 : 2021年6月15日

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コメント 2件

りまのさんのコメント
2021/06/15

淳水堂さん
懐かしい! 大好きな本でした!
本が読めるようになって、最初に覚えている、好きになった本です。また読みたくなりました!

淳水堂さんのコメント
2021/06/15

りまのさん コメントありがとうございます!
私は子供の頃はこの一巻目だけ読んでいたのですが、今回は全巻読んで行っています。
小さい子がすくすく育ちそれを見守る周りのみんなの目、かなしいおわかれ、この世と違うところへの繋がり、松谷みよ子さんすごいなーー、と思いながら読んでいます。
大人の今だからか、ママさんの気持ちが、哀しいこと、嬉しいこと、大人だからやらなゃいけないことなど、こんなに書かれていたんだなあって思います。

りまのさんもお時間できましたらぜひ!

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