「自分だけの答え」が見つかる 13歳からのアート思考

著者 :
  • ダイヤモンド社 (2020年2月20日発売)
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本棚登録 : 11808
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「美術品を鑑賞する」というと「解説文を読んだり、作品情報を読み取ろうとしたりする」ことが多くなってしまう。
しかし作品鑑賞というものは「正解」はなく、自分なりのものの見方をして、自分なりに感じ取れば良い。「自分なりのものの見方」ができる人こそが、現実で何かを生み出したり、結果を出したり、人生を楽しんだりできるのではないか?
それでは、作品に自由に向き合うというのはどんなこと?アートって何?自分自身のものの見方ってなんだろう?

”美術”というと「正しく感じ取らなければいけない」のような先入観を持ってしまいますよね。
こちらの本ではその先入観を取り払うために、読者(講義参加者)が実際に考えたり意見を言ったり描いたりするようになっています。

・作品を見たら、気がついたこと、感じたことを書き出してみる(アウトプットする)と、漠然と見るよりもじっくり捉えられる。さらになぜそう感じたのかを考えてみよう。
・作品とは、作者と作品、鑑賞者と作品とのあいだそれぞれのやり取りがある。そのため作者の表現したかったことと、鑑賞者のそれとは異なることもある。作品とは、作者だけでなく、鑑賞者の感じ方により解釈が広がってゆく。

たしかに美術鑑賞って、「知っている」ことを前提にしてしまうところがあり、そのような先入観がない人がすっごく率直な感想を言うと「それでいいんだ!」と自分が先入観で目が曇ってたなーと感じることがありますよね。

そしてこの本で書かれていることは、読書にも当てはまるように思います。
「この作者は、後世の人達に何を伝えたくてこの小説を書いたの?この小説の正しい楽しみ方は?この描写は(すっごい細かいところ)なんのために書いたのだろう?この小説を読んで自分が学んだことはなんだろう?この小説のこの文章の書き方は正解なのか?」という「絶対的答え」を求める風潮がありますよね。
読書も美術品と同じように「作者と作品、鑑賞者と作品のそれぞれの間の感じ方」を楽しんで良いなら、読書におきかえて自分なりに楽しむことはできるよなーーと思いました。

なお、こちらの本では美術へのアプローチとして千利休がやったことが挙げられていますが…、すみません、わたしには「千利休ってめんどくさい人だなーーーー」と感じました…(-_-;)

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 中高年生向け
感想投稿日 : 2022年5月27日
読了日 : 2022年5月27日
本棚登録日 : 2022年5月27日

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