「紙屋ふじさき記念館」を読んで、大学生の百花の卒論テーマが小川未明でこの本にも少し触れていた。
記憶になくて再度読もうと手にしたのがこの絵本。
いろんな解釈ができるなぁと思った。
人間の世界へ送り込んだ人魚の母が身勝手なのか。
(人魚の母は、人間は優しくて町も明るくて賑やかで美しいと思っていたのだが。)
老夫婦が、簡単に香具師の話を鵜呑みにして大金を手に入れたのが悪なのか。
話しを持ちかけた香具師が悪の大元になるのか。
すっかり忘れてしまっていた内容だったが、思い出しながらこんなに暗い話しだったかとあらためて感じた。
〜以下、簡単なあらすじ〜
岩の上に休んでいる人魚は、いろいろな空想にふけっていた。
長い年月の間、話しをする相手もなく、冷たい暗い海の中で、魚や獣とずっと暮らさなければならないのは気が滅入ることだった。
せめて自分の子どもだけは、人間の世界で育てて大きくしたいと陸に産み落とす。
ろうそく屋の老夫婦に拾われて、育てられ、ろうそくに絵を描いて売ると繁盛した。
だが香具師のことばに騙され、大金を得ると老夫婦は人魚を売る。
その後、赤い蝋燭が山のお宮に灯った晩は、大嵐になり災難が降りかかり、ついにはその町は滅びてしまう。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2023年3月10日
- 読了日 : 2023年3月10日
- 本棚登録日 : 2023年3月10日
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