ひきこもりはなぜ「治る」のか?: 精神分析的アプローチ (ちくま文庫 さ 29-4)

著者 :
  • 筑摩書房 (2012年10月1日発売)
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感想 : 33
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・影響を与えられないことを気にせず、影響を与えられることに注力する。やがて影響を与えられる範囲は広がり、関心があるだけだったことにも影響を与えられるようになる。そんな態度が大切なのだ思いました。

 人は誰しも、生きていくうえで「自己愛」を必要とします…「自分は自分である」という当たり前の感覚、これが自己愛です。行動や考えの出発点に「自分」があること、これも自己愛です…他者への愛情も、思いやりも、犠牲的精神も、その出発点はすべて自己愛です……。

 最近わかったことですが、私は結構ひとみしりです。好きな人と嫌いな人とのギャップが激しいのです。好きな人は、自分の自己愛を満たしてくれる人です。自信を与え、プライドを支えてくれる人です。嫌いな人は、根拠を感じない自信を持ち、プライドのために人を利用する人です。

 第三者の介入が有効で、その第三者は、犬や猫、はたまた、フェアなルールでも良いとのこと……。そういわれてみると、我が家のベルや縞子も、家族の自己愛を満たす存在として、大きな役割を担っているような感じもします。

 スティーブン・コヴィー博士の『7つの習慣』の中に、「関心の輪と影響の輪」という話があるのですが、関心はあるが、影響を与えられないことに関与するより、影響を与えられることに注力することで、やがて影響を与えられる範囲が広がり、関心があるだけだったことにも影響を与えられるようになる。そんな態度が大切なのだ思いました。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 人文科学(心理学・哲学・思想)
感想投稿日 : 2020年4月29日
読了日 : 2019年1月22日
本棚登録日 : 2020年4月29日

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