「小説を書くためのハウツー本ではない
よく読んでよく書いて、極力無駄を省いて装飾を取り払った言葉を連ねて文章を紡ぐだけ」
そう嘯くスティーヴン・キングの、創作に対する取り組みを読めるだけでも価値がある本と言える。
本人は「自叙伝の類ではない」とことわっているが、前段は幼少期から青春時代と小説を生業にするようになった頃、次から次へと創作を続けながらアルコールとドラッグに浸るようになった壮年期まで、キングらしいシニカルでユーモアのある筆致で描かれていて興味深い。
小説を書く上での各論というか具体的な作法についての解説の後、不慮の事故で大怪我をして復活するまでのは生々しい顛末も記されており、前段の履歴書的な記述と最後の怪我の顛末に小説作法が挟まれたスティーヴン・キングの半生バーガーといった趣きの、味のある本になっている。
しかし、何か大きなことをしでかす人には見えない力が働くのだなぁと思わざるを得ない。そんな感想を持った。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2023年2月2日
- 読了日 : 2023年2月2日
- 本棚登録日 : 2022年12月16日
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