サッカー名将・名選手に学ぶ48の法則 (中公新書ラクレ)

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  • 中央公論新社 (2013年11月8日発売)
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「サッカー名将・名選手に学ぶ48の法則」
バルサはなぜ強いのか。ドイツブンデスリーガ繁栄の理由は何か。


サッカーを観る眼。それは誰もが語れるような結果次第のサッカー論であってはならない。たとえチームが破れたとしてもプレーの良さを語り、勝ったとしても悪ければ悪いと断じられる揺るぎない視点である。


この眼を養う為に、勝負全般のディテールに拘る。選手は高い技術精度を持っているか。空間意識を持って、時間を上手く使っているか。11人は連動しているか、等粒度をどんどん小さくして勝負を見ていく。


そうする事で勝ち負けの差を作る要因が鮮明に見えてくる。一旦最小粒度まで勝ち負けを落とし込む事が出来なければ、チームが破れたとしてもプレーの良さを語り、勝ったとしても悪ければ悪いと断じる事は出来ないだろうと思う。


たとえ監督じゃなくてもサッカーを語るプロならば、少なくともこの作業にトライすべきだと思う。サッカーを分かろうとせず、結果論を語り、書く事でお金を貰うのは間違っている。そして語り、書く中身は大抵論理破綻している。結果論なのに破綻しているのだから不思議だ。


彼らに構うくらいなら、サッカーを観る眼を持っている人、持とうとトライしている人の記事や本、インタビュー、解説にもっと立会いたい。


本書は、勝者になる為の法則を組織、リーダー、現場、局面の法則を通じて分析している。例えば、現場の法則の1つとして、メンタルマネジメントの成功例を挙げている。


シャビ・プリストと言う選手がいる(チョイスがさすが)。彼は精神的に落ち着いた事でMAGO/魔法使いの称号をつけられるまでになったレアルソシエダのプレーメイカーだ。技術、体力と戦術は成功する為に必要な要素だが、それらの根源になるのは、心であると言う事を教えてくれる活躍例である。


サッカーは、ディテールを見れば見るほど面白くなると思う。それは、プレーだけでなくスタジアムやクラブ運営にも同じ事だ。


例えば、ドイツの経営は、真似しないとダメだと思わされる要素がたくさんある。吸収、応用出来る所は絶対あると思うから、もっとドイツにアクションしないととか思ってしまう。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: スポーツ
感想投稿日 : 2014年6月20日
読了日 : 2014年6月20日
本棚登録日 : 2014年6月20日

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